トランプ関税の目的とは
2025年4月 アメリカ大統領ドナルド・トランプ氏が推し進めた「関税政策」が世界を混沌とさせました。
中国製品に非常に高い関税をかけ、他国にも圧力をかけました。
これは単なる経済戦略とは思えないほど、感情の色が濃いものでした。
果たして、彼の狙いは経済のためだったのか?
それとも——
「自分を強く見せたい」という欲求からくる“心理戦”だったのか?
今回は、心理学のレンズを通して、トランプ関税の裏にある人間臭い心理に迫ってみたいと思います。
「敵を作り支持を集める」社会的アイデンティティ理論
社会心理学者タジフェルによれば、人は「内集団(自分の属する集団)」と「外集団(それ以外の集団)」を区別し、内集団の優位性を感じることで自己肯定感を得るとされています。
これは社会的アイデンティティ理論と呼ばれます。
トランプ氏はこの理論を直感的に理解していたのかもしれません。
●「アメリカ vs 中国」
●「我々 vs 奴ら」
という構図を作り出し、自分たちアメリカ人の誇りを取り戻させようとしたのです。
「外敵」をつくることで「味方」の結束は強くなる。
まさに、これはグループ心理の基本中の基本です。
誇示的な自尊心「俺がやってる感」の演出
アドラー心理学では、自尊心が不安定な人ほど、他者よりも優位に立ちたいという「優越コンプレックス」に陥ることがあります。
トランプ氏の「関税をかけるぞ!」という強硬姿勢は
「俺は国のために戦っている」という演出に近かったのかもしれません。
関税政策は、その効果よりも「俺が動いている感」を示すには最適な道具です。
自分の存在を国民にアピールするための「舞台装置」としての関税政策という見方もできるのです。
他国がトランプに「服従する」様は、まさに最高の優越感を味わうことが出来るでしょう。
「ゼロサム思考」に支配された世界観
トランプ氏の発言には
「我々が勝つ=誰かが負ける」
というゼロサム的な世界観が頻繁に見られます。
心理学的にいうと、これは被害者意識や不信感からくる認知の歪みです。
●「中国に勝たなければアメリカが沈む」
●「外国に譲歩したら終わり」
このような思考は、過去に自分が「奪われた」という体験に起因していることが多いです。
彼自身、ビジネスでの失敗や不安定な評価を受け続けた中で
「誰かが奪おうとしている」
という世界観に染まっていったのかもしれません。
「国」を「自分」と重ねていた?
トランプ氏の演説を聞いていると、しばしば「国=自分」という投影が見られます。
●「私を侮辱するのは、この国を侮辱しているのと同じだ」
●「アメリカは素晴らしい。だから私も素晴らしい」
これはナルシシズム的防衛の一種で「自分=偉大な存在である」というアイデンティティを維持するために、自分を象徴する“何か”(この場合は国家)を持ち出すという心理的防衛です。
つまり、関税で国を守っているように見えて、実は自分自身を守っていたのかもしれません。
関税政策の背後にある「人間らしい心理」
●敵を作り味方を結束させる
●優越感を得たいという願望
●奪われる恐怖とゼロサム思考
● 国と自己を一体化させるナルシシズム的防衛
これらをまとめると、トランプ関税は「経済政策というよりも心理政策」だったとも言えます。
関税の本当の狙いは「アメリカを守ること」ではなく
「自分の価値と力を示すこと」だったのではないでしょうか?

政策の背後には、たいてい人間くさいドラマが隠れています。
政治を心理学で読み解くことで、ニュースがちょっと面白くなるかもしれませんね。
最後まで閲覧いただきありがとうございました!
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