投票に行かない若者たち
最近20代の若者、いわゆる「Z世代の低い投票率」がニュースやネットで話題になっています。
まぁ私も正直、そのくらいの頃は政治や選挙なんてどうでも良かったです。
でも、それは単なる「無関心」ではなく、心理学的には次の3つの理由が見えてきます。
今回はその3つの理由と3つのアプローチを考えてみました。
心理学的な3つの理由
①「自分の一票じゃ何も変わらない」という低自己効力感
バンデューラの理論によれば「自分が社会を動かせる」と感じられないと、人は行動を起こしません。学校や会社で何を言っても無視されたら、次からは黙る。それと同じです。
②選挙疲れと情報過多
SNSで大量の政治情報にさらされ続け、何を信じていいか分からなくなると、分からないから「選ばない」という選択をとります。これは「意思決定の回避」という心理で、ドレッシングが100種類もあって、どれにするか選べない感じです。
③政治的アイデンティティの流動性
政党という「箱」に自分を入れるのがイヤで、そもそもその「箱」自体に魅力を感じていません。
環境問題には関心があっても、特定の政党には所属したくない。「ライブは行きたいけど、ファンクラブには入りたくない」そんな感覚に似ています。
投票に行くための3つのアプローチ
心理学的には、3つのアプローチがカギです。
①感情的な共鳴
人は感情の生き物です。自分と近い誰かの「政治や現状に対する怒り」などに共感すると「自分も行こう!」と思いやすくなるかもしれません。これは「モデリング効果」と言ってバンデューラの社会的学習理論の一部です。
②即時的な意味づけ
日本の将来のために…と言われてもピンと来ないと思います。「投票は自分の考えを可視化できる」ことや「自分の価値観に近い人が見つかる」など、行動の意味がすぐに実感できるような工夫があると、動機づけが高まります。
③ハードルを下げること
投票に行くのは正直「めんどくさい」イメージがあります。心理学的には「実行意図」を高めることで行動が起こりやすくなると言われています。
「朝カフェに行く前に投票に行く」といった具体的なシナリオがあると、実行意図が高まり、行動に結びつきやすくなります。
求めているのは「義務」ではなく「意味」
投票が“正解を選ぶ行為”ではなく、“自分らしさを表現する行為”として提示されたとき、心と体は動き出します。
必要なのは無理強いして「選ばせること」ではなく「意味を届けること」
投票という行為は、彼らにとって「社会への参加」というより「自分を映す鏡」になるべきです。
最後まで閲覧いただきありがとうございました!
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