他人事ではない詐欺とマインドコントロール
みなさんは詐欺の被害に遭ったことはありますか?
詐欺とまでは行かなくても、あらゆるビジネスや交渉の場で心理学の知識が使われています。
「自分は詐欺には引っかからない」と思ったあなた、私もそう思っていました。
詐欺の被害に遭うまでは…
ここでは、私の実体験から詐欺で使われるマインドコントロールの技術を、心理学の観点から分析していきます。
私の詐欺の実体験
私が実際に体験した詐欺は、120万円もする布団の押し売りでした。
「誰がそんな布団買うの?」と思うかもしれませんが面白いように心を動かされました。
・・・それは玄関のチャイムからでした
「引越しの挨拶に来た」
お菓子を持ってきたのはスーツ姿の40代くらいの男性でした。
そして、挨拶もそこそこに世間話が始まりました。
やがて、「私は布団の会社を経営している」
新商品の開発のために「少し布団を見せてもらっても良いか?」
と話が進み(この時違和感は感じた)私が使っている布団を見せることになりました。
布団を見せるなり、「この布団はダニがすごく多い、しかも睡眠の質が下がる」「うちの布団を少し見ないか?」
と不安を煽りつつ、商品(布団)の販売に持ち込まれたのです。
違和感を感じつつ、当時純粋無垢だった私は
「社長で凄い人の言うことだし、悪い人ではなさそう」と感じました。
その後、実際に商品の布団を触り、説明を受けました。(4時間も)
長時間の説明で疲れ切った私に
「今購入すると特別に120万が62万」と信じられないことを言ってきました。
これはお得だ!と購入の書類に印鑑を押す寸前に
「せめて会社名を調べてから…」と、トイレで会社名を調べることに…
すると、検索結果の上位3つ全てに
「○○県 詐欺グループ」と記載があり、そこで詐欺と確信し、購入を止めることができました。
後から分かったことですが、隣に引っ越してきた人はおらず、何人かが同様の被害に遭っていたということでした。
(当時の職場の先輩は見事に購入…)
使用された4つの心理技術
今回使用された心理技術は
①「フット・イン・ザ・ドア・テクニック」
②「変法性の原理」
③「ハロー効果」
④「アンカリング効果」
の4つです、これらは有名どころですがどれも効果は絶大です。
◆フット・イン・ザ・ドア・テクニック
まず小さな依頼から始め、本題の大きな依頼を通す心理技術です。
初めに「引越しの挨拶」を口実に玄関に入れてもらう小さな依頼を承諾することで、「布団を見せる」から「布団の購入」へと段階を経て要求を通していく心理技術です。
私がドアを閉めようとした時に、文字通り「足をドアの間に入れてきた」ので驚きました。
◆返報性の原理
相手に何かを貰ったりしてもらうことで、「自分もお返しや要求をのまなければならない」という心理が働くことを言います。
日本人は特にこの傾向が強く、心当たりのある方も多いと思います。スーパーの試食やポケットティッシュを配るのも、その一環と言えます。
訪問時にお菓子などを貰うと「少し話を聞いてあげよう」という意識が働いてしまうものです。
◆ハロー効果
権威のある人や好ましい特徴のある人の、他の特徴についても高く評価してしまう。という認知の歪みのことです。
例えば医者や企業の社長など、「この人が言うんだから間違いない」と考えたり、「この人はなんでもできるに違いない」と良いように評価してしまう。
これは逆にも働き、好ましくない相手には「何もできないヤツ」と根拠のない評価をしてしまう傾向があります。
◆アンカリング効果
初めに提示された情報が後の行動や答えに影響を及ぼすものです。
「定価12000円の物が、半額の6000円」というように
初めに提示された12000円という情報から6000円に値引きされお得であると感じ、購入してしまうといったものです。
まだまだある心理技術
ここでは、私が実際に詐欺に使用された心理技術を4つ紹介しました。
これ以外にも
- 誰にも相談させずその場で決断させる
- 同調圧力によって決断を迫る
- 不安を煽る
などの方法があります。
「マインドコントロール」に限らず
交渉や勧誘、説得といった場面の裏側でも
このような心理技術が使用されていることを理解する必要があります。
この記事が、少しでもあなたの人生の役に立てれば幸いです。
閲覧いただきありがとうございました!
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