ここは天国か?それとも…
1970年代、アメリカの動物行動学者ジョン・B・カルフーンは、ラット🐀を使った「Universe 25」実験を行いました。
実験の概要
ラット🐀に食料も水も巣も十分、外敵もいない理想的な環境、まさに「楽園」を与えました。その後ラットたちは順調に増えましたが、次第に奇妙な変化が起こり始めます…
一部が攻撃的になり、子育てを放棄する者も現れました。無気力でただ生きるだけのラットが増え、やがて生殖が止まり、群れは滅びました。
カルフーンはこの現象を「行動シンク」と呼びました。豊かさが社会的機能を狂わせ、静かに社会を崩壊させたのです。
だから滅びた…
心理学的に見ると、Universe 25で起きた崩壊は、人間社会にも通じる重要なメッセージを含んでいます。
自己決定理論では、人間の心の健全さには
●「他者とのつながり」(関連性)
●「自分はできるという感覚」(有能感)
●「自分で選択している感覚」(自律性)
この3つが不可欠だとされます。
しかし、Universe 25では生存競争が消えたことでこれらの動機が機能しなくなり、生きることそのものが目的を失いました。
また、社会心理学では
●「過密ストレス」という概念があります。
個体数が増えすぎた環境では、プライバシーの喪失や対人摩擦が激しくなり、攻撃性、無力感、引きこもり行動などが増加することがわかっています。
人類へのメッセージ
Universe 25では、楽園の様な豊かな環境にもかかわらず、精神的なストレスが蓄積し、ラット🐀たちは社会性を維持できなくなったのです。
つまり、私たちも「物質的な豊かさだけでは心を守れない」ということです。
むしろ、意図的に「つながり」「成長」「自己選択」を感じる機会を作らなければ、静かに社会は壊れていく──Universe 25はその現実を、私たちに突きつけています。
豊かさの中に潜む、見えないストレスと社会の崩壊…
Universe 25は、それを静かに、しかし確実に教えてくれているのかもしれません…
最後まで閲覧いただきありがとうございました。
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